2020/05/28

【Car Review】シボレー アベオ セダン 北米仕様 CHEVROLET AVEO SEDAN USA レビュー [韓国GM OEM]

chevrolet-aveo シボレーアベオ
アメリカには軽自動車のような小型車枠は存在しませんが、価格の安いコンパクトカー自体はもちろん販売されています。今回は最安価格帯の大衆車シボレーアベオをご紹介します。




シボレーアベオセダンの基本スペック(レビュー車両)

  • パワートレイン:1600CC / 103PS
  • トランスミッション:4AT
  • 安全装備:ABS+EBD サイドエアバッグ TPMS
  • 販売価格:14,000USD


シボレーアベオセダンの外装デザイン

chevrolet-aveo シボレーアベオ
大手レンタカー会社でお借りしたシボレーアベオ。まさかのレッドカラーでしたが、第一印象は妙に色あせてるな、というものでした。

トランクの周囲がメッキで装飾されているのですが、メッキの剥がれが始まっています。レンタカーは過酷な走行をしがちですが、どう見ても4年位しか使われていなそうですので、品質の低さを非常に感じます。

chevrolet-aveo シボレーアベオ後部
またデザインがアンバランスです。セダンだったこともあるかもしれませんが、妙に幅が狭い割には背が高いこと、後部トランクの辺りの大きさなど日本車の安定したデザインとは少々異なります。

ある意味では挑戦的なのかもしれませんが、決してカッコいいとは思えません。この車シボレーの名称がついているとは言え、元々が韓国GM製(旧GM大字)なので、新興市場向けに低コストの車に仕上げているのでしょう。

シボレーアベオセダンの内装

chevrolet-aveo-interior
次に内装ですが、これは意外や意外かなり好印象です。シンプルなデザインのオーディオ類、エアコンパネル、メーターどれを見てもごてごてとしておらず、分かりやすい配置になっています。ところどころに違和感の無い程度のメッキ装飾が施され、チープさを極力消しています。

また日本車では対応の遅れがちだったAUXフロント端子も標準装備。手持ちのオーディオをそのまま繋げるので非常に便利です。 その他の装備で見ると、低価格車にも関わらずクルーズコントロールが装備されています。日本ではコンパクトカーにクルーズコントロールを装着する事は一般的では無く、ほとんどの形式ではオプションリストにすら設定されていません。

アベオはクルーズコントロールボタンはまるでTVのリモコンのようです。走行距離が長いであろう北米においては必須の装備であり、大してコストも掛からないので付けてあたり前なのでしょう。

シボレーアベオセダンの運転フィーリング

chevrolet-aveo-withgoldengatebridge

運転した感想は『あまりにも普通過ぎて感じることがない』としか言いようがありません。普通に軽く回るステアリング、踏めばそこそこのパワーで動いてくれるエンジン、普通にかかるブレーキ・・・。時速100キロ程度を乗り回すには十分な性能を持っています。

一方思うことは、上記の動作の間に必ず仕切りが入ったような印象があることです。例えばハンドルを回すと車は曲がりますが、その感触がいまいち良く分かりません。

またアクセルを踏んでもONとOFFしか無いようで調整の幅がありません。普段乗っている車との比較になってしまいますが、まるで操る楽しさが無い!との結論に至ります。走っていて電気掃除機を思い浮かべたのは言うまでもありません。

drive-view
上記に反して乗り心地は柔らかすぎず、固すぎずちょうど良い感触です。アメリカは元から荒れた道が多く、ガタンガタンとうねり易いのが難点です。

この車もその影響を受けるわけですが、思ったよりも車体はしっかり造られているようで、振動はあるものの疲れはそれほど出ませんでした。シートの形状も座りやすく包まれる感じで悪くはありません。

最近日本車では足回りが固い設定で、やけにガタガタとうねる車が増えた気がします。乗り心地は素人でも一番印象に残る部分ですので、バランスが取れていると大分株が上がるように思います。

シボレーアベオセダンの総合評価

drive-view
シボレーアベオセダンは韓国設計という事で、品質としては決して高く無いというのが率直なところです。塗装の悪さや、メッキの品質の低さは目に見えて酷いもので、長期間乗ることが想定されていません。

また走りの面では家電製品(私は走る電気掃除機と命名)のようで、使い勝手は良いものの全く運転していて面白いと思える側面はありません。ただし毎日生活の足として使われるであろう北米においては、必要にして十分であるとも推測出来ます。内装のデザインは悪く無く、装備も充実しているので不満はありません。

日本車が全ての側面に気を遣いバランスを取っているとすれば、韓国車は全てに予算を割かずに割り切りを大切にしている印象です。外装や走りにはコストを掛けず、毎日目にする内装には少し多めにコストを割いたのでしょう。

これも物造りの考え方としてはありかもしれません。自分では購入したいとは思いませんが、一般的なニーズには合致しやすい方法です。

その後”あまりにチープすぎた”のか、モデルチェンジで名称を変更すると共に、より良いデザイン・質感にアップデートされました。韓国GMのような新興メーカーが既存メーカーを追い上げ、レベルアップを果たした事の裏付けとも言えます。






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