ラウンドアバウトとは?(Roundabout, Traffic circle)
この仕組みは主に欧米で見られるもので、減速してループに入ることで止まらずに別の道路へと右左折していくことが出来ます。
簡単に解説図を作成してみました。例えば一番下の道路からやってきた車が右折する場合は、いきなり右の方向に走るのではなく、円を半周して右へと進んでいきます。円上は一方通行なので、車は一つの方向に注意を集中させることが出来ます。また信号待ちが無いので渋滞が減少すると”言われています”。
※これは左側通行の場合。右側通行の場合は反時計回りとなるので注意。
短所としては車をさばける容量に限界があり、交通量が多い場合にはかえって流れが悪くなってしまうこと、そして交差点に割くための敷地が多く必要になることが挙げられます。
実は80年近く前の東京でもこのラウンドアバウトを使って、統制された街造りを目指した方がいらしゃいました。
時の東京市長は今後東京が著しく大きな都市になることを予測しており、規模が大きくなりすぎることを避けるためにラウンドアバウトの多用を考えました。
ラウンドアバウトは交差点で使う面積が大きいので、建物を建てる余地が減ることになります。つまり”あえて土地を制限する”ことで、過剰な開発や人口の集中を防ごうとしたのです。
今の東京を見れば分かりますが、制限無く開発を行ったため震災時の危険性や、地方からの激しい人口流入を招いています。おまけに街から美しさがなくなり、観光地としての二次的な価値も失っているようにも感じます。
この案は結局あと一歩のところで議会が潰してしまい、実現することはありませんでした。自分たちの土地が減ることを恐れた人々が沢山居たのでしょう。
東京は関東大震災、そして東京大空襲と2回も街が壊れてしまったのですが、その復興は結局場当たり的で中途半端だったと言えます。もし先に書いた東京市長のような人が居れば、もっと美しく、そして地方経済にも悪影響を与えない中立的な街になっていたかもしれません。
なお東京都立多磨霊園には一部の交差点にラウンドアバウトが使用されています。一説ではここが先に記載した事業の実験台となっていたようです。歴史にもしもは禁句ですが、今後どこかのタイミングで街造りが見直されることを期待します。