ホンダフィットハイブリッド(FIT3)の基本スペック(レビュー車両)
- レビューグレード:HYBRID Fパッケージ
- パワートレイン:1500cc / DOHC + モーター
- トランスミッション:7DCT
- 販売価格:1,680,000円〜
ホンダフィットハイブリッドの外装デザイン
デザインについては最近流行りの「ラインを多くして、シンプルにし過ぎないもの」を目指しているようですが、イジリ過ぎてFIT2のシンプルな良さが消えた気がします。また、黒を取り入れたホイールキャップもどうでしょうか。黒いホイールはスポーツモデルや、”ヤンチャな車”のイメージがとても強いので、少しネガティブな印象を持ちます。
ホンダフィットハイブリッドの内装デザイン
また、送風口の調節がどうにもうまくいきません。自分に当たるようにしたいのに、どこの送風口からも中途半端にしか風が流れてきません。(健康には良いですが)デザインが凝りすぎて、操作しにくいと感じます。
こちらは操作レバー。トヨタプリウス、アウトランダーPHEVと全く同じ動き、ボタン配置なので、恐らく同じメーカーの物なのでしょう。ちなみに私はこのデザインは若い人向きで、高齢者には分かりにくいのでは?といつも心配になります。ライバルのアクアは標準的なシフトレバーなので、この写真の操作レバーでなければいけないと言う事でもないようです。Sモードは走り重視のモードですが、標準モードでも十分なので今回は試しませんでした。
メーターはなかなかデザインが格好良く高級感もあります。以前乗ったインサイトはとにかくチープで、スピードメーター自体もハンドルに被ってとても見にくかったです。
一方こちらはオーソドックスな中に、液晶画面を入れるなどして、とても良くなっています。ただし、左側のパワー・チャージのゲージはあまり必要性を感じません。アクセル開度=瞬間燃費表示をよりカラフルに分かりやすく表示すれば、目が泳がなくて済みます。
ホンダフィットハイブリッドの運転フィーリング
ただし問題はコーナリング。直進では非常に安定しているのに、カーブに入ると曲がるのか曲がらないのかとても曖昧な動きになり不安になります。車体が宙に浮いているような妙な感覚を覚えるのです。エコタイヤの影響も感じますが、他社のコンパクトカーと比較すると大分劣る印象です。
大方良い車であるとは思いますが、前述のコーナリング時の安定性ともう一つ気になるのはDCT(トランスミッション)の問題です。リコール問題は既にクリアになっていると思いますが、そもそも発進時に引っかかる印象があります。モーターで発進→エンジンへの引き継ぎ→さらにDCTの変速、それらの各手順で必ず一瞬引っかかる感じがするのです。
以前営業で使っていたインサイトはもっと酷くて、常に何かしらが引っかかりガタガタ振動していたのでそれに比べればまともですが、どうも気持ちが悪い部分です。
ある程度スピードがのった後は全く問題なく、スムーズに加速し巡行します。60km/h程度で巡行する時間が長かったのですが、アクセルの維持は容易です。しかしエンジンブレーキが使い辛く、Lギアに落としても2秒程度間が空いてからエンジンブレーキ(回生ブレーキ)がかかるので頼りになりません。ブレーキがかかった後は、減速しすぎてしまうのでちょうど良い加減が出来ません。
最近の車はコストダウンのためか2ndギア(Sギア、Bギア)が省略されていますが、あのギアこそもっとも使える場所が多いと思います。
ホンダフィットハイブリッドの総合評価
過走行のレンタカーですので適正な評価では無いかもしれませんが、低燃費競争の中でそのあたりは優先事項では無くなったのかもしれません。全体的な質感や使い勝手がコンパクトカーの中では良いだけに、燃費ばかりが優先される時代で無ければ、もっと良い車として完成していたのではないかと感じられます。