さりげなく置かれたMIRAI
欧米人にはまだまだ関心が低いのか、朝一で行くとトランスミッションメーカーZ社の暇そうなスタッフがベンチ代わりに使って話し込んでいました。やはりヨーロッパでのトヨタの位置付けはそこまで高くない様子です。
現在の自動車に近い構造
FUELCELL自体は全く別の機構だとしても、エンジンルームは思ったよりも未来な感じではなく、現在のハイブリッドカーやガソリン車に近い構造に見えます。電気自動車はシンプル構成なので、ベンチャーの参入も盛んですが、この構造が必須だとすればとても手に負えるものでは無いでしょう。
現在の自動車産業は、Tier1に始まりそこから先につながる下請け企業(裾野産業)によって維持されていますから、部品点数が減らなければある程度は産業を維持する効果もありそうです。つまり燃料電池車自体が、環境問題への対策だけでなく、産業の維持にも必要なものとして作られた事が見えてくるのです。
テスラモーターのイーロン・マスク氏がやたらと燃料電池車を否定するのも、 伝統的な体制を嫌うからかもしれません。
MIRAI欧州仕様車の内装
MIRAIの方がエアコンパネルに画面がついて、若干の豪華仕様です。これがiPadタイプの1パネルで一つにまとまっていると、未来の車と言うイメージが増してカッコイイのですが。
ディーゼルエンジン王国へのアプローチ
EVはシンプルな機構であるとのメリットがある一方、航続距離や充電時間の問題があり、燃料電池車は燃料となる水素の充填時間が短い=ガソリン車の運用と近いと言うメリットがある一方、水素の危険性や、そもそも水素の製造方法自体が”エコではない”との指摘も聞こえてきます。
いずれにせよ日本やアメリカのカリフォルニア州のような環境対策に敏感な地域では受け入れられそうな車ですが、欧州のようなディーゼルエンジン王国や、大排気量車が好かれる北米で如何に普及させるかがキーになるように感じます。